「信頼の日本製」を海外へ

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アジア圏からの訪日外国人による「爆買い」が、連日多くのメディアに取り上げられています。1人あたり30万円以上を使う富裕層のグループも珍しくありません。しかし、日本製の全ての商品が売れているわけではなく、爆買いの中にも「ヒット商品」や「流行のアイテム」が存在するのです。日本の企業はどこに力を入れるべきなのでしょうか。日本の商品の海外展開について考えてみました。

「日本製」は信頼の証

爆買いの背景には、ジャパンブランドに対する信頼感があります。カメラやビデオなどの精密機械は依然として中国人観光客から人気がありますし、化粧品や医薬品なども台湾や韓国人にとってはお土産の定番になっています。国によって、人気の商品にバラつきはあるものの、最近は爆買いの対象が、日本の「文化」に関する部分にまで広がりを見せています。

 

例えば、日本酒ブームはアメリカだけではなくアジアにも拡大しています。日本を訪れる観光客の中には、本場の日本酒目的という人もいるようで、滞在中に飲むお酒やお土産などを爆買いする傾向が見られます。日本人でも躊躇してしまいそうな値段の大吟醸酒を数本単位で買うなど、その勢いには驚きます。

また、日本の伝統的な工芸品についても爆買いの対象になっているという調査があります。ひと昔前までは、漢字がプリントされた衣料品や、和柄のアイテムがお土産として選ばれていましたが、最近は値段が高くても、繊細な刺繍や竹細工など「職人の技」が生かされた商品を買い求める外国人が増えているのです。

ショッピング目的で日本を訪れる観光客は、リピーターの場合が多く、リストを作って買物をしているそうです。最初は電化製品や化粧品を買っていた人たちが、だんだんと「日本製」に慣れ、より繊細な技術を求めて工芸品や民芸品に行き着いていると考えられます。

日本製に需要があるからこそ日本を飛び出す

日本にショッピングに来る外国人をターゲットにするのも良いですが、それだけ関心が高まっているのであれば、こちらから海外に出て行く作戦もあります。先にあげた日本酒は良い例で、酒蔵は積極的に「ジャパニーズサケ」とPRし、輸出を始めています。選んでもらうにはストーリーも大切なため、杜氏自らが外国で日本酒の説明をするなど、付加価値をつけて販売するケースも多く見られます。昔ながらの民芸品を製作していた会社も、職人を海外に連れて行き、実演販売の形式をとるなど工夫しているようです。

海外への展開までは視野に入れていない場合でも、個人輸出で日本の製品を販売することができますし、観光地の場合は、地方に呼び込むことも実現は難しくないでしょう。日本の首都圏を中心に観光した外国人は、次回の訪問の際に、大阪や九州、北海道などを滞在地に選ぶ場合が多いからです。これまでは観光客が日本語を一生懸命話していましたが、日本人も意識を変え、外国語での接客スキルを身につけなければいけないところにまできています。ビジネスチャンスを広げるためにも、日本の企業は海外に向けた視野を持たなければなりません。

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